右の腰に痛みがあります

お馴染みのリンゴ農家の方です。

リンゴ農家の方は、お話をうかがっておりますと、一年を通してやるべき作業が山ほどあり、年中、肉体的に負担を強いられます。

その作業がきつくなってくると、どうしても腰・肩・膝に痛みが出始めてしまいます。

収穫ひとつとっても、脚立の乗り降りを一日にどれほどの回数くりかえすことか、、、。

膝・腰への負担のほどが想像されます。

腰・膝の疲れがピークに達すると、ご来院いただくことになります。

この方の腰の窮屈感・痛みに対して軸回転の法則を応用して、臨床にのぞみます。

仰向けで両膝を左に倒すと右の腰に痛みが出ます

仰向けで両膝を左に倒すと右の腰、右の骨盤の周辺に痛みが出ます。

この現象を軸回転の法則を使って考えてみます。

まず、両膝を左に倒すと右の腰に痛みがでるということは、

この動作をとりあえず、体全体を左にねじる動作で右の腰に可動域制限が出現すると考えます。

すると、体幹および股関節を左にねじる動作に可動域制限がでるということは、逆の動作、右にねじる動作にかかわる筋肉になにかコリがあり、可動域制限をかける原因があると考えることができます。

その可動域制限をかけている筋肉のトリガーポイントをこの軸回転の法則で探究していきます。

まずは「ふくらはぎ」をもみほぐします

腰痛の場合、その原因はふくらはぎの筋肉群にトリガーポイントがあることは多いものです。

この方の場合、右の腰に痛みが出るため、まずは、右の下肢、ふくらはぎからアプローチしていくこととします。

右のふくらはぎを左にねじる動作は、ふくらはぎの左斜め前および左斜め後ろのポジションになります。

これが、ふくらはぎを左にねじる際に作動するポジションと想定します。

筋肉的には、ヒラメ筋の内側・脛骨に付着する部分と、内側の腓腹筋といえます。

そして、この動きを阻害するポジションはその逆の動作、右にねじる動作です。

これは、右斜め前および右斜め後ろのポジションです。

筋肉的には、前脛骨筋とヒラメ筋の外側部・起始部がこれに相当します。

ここ、 前脛骨筋とヒラメ筋の外側部・起始部がにトリガーポイントがあるために可動域制限が起きていると想定します。

ここです。

ヒラメ筋の起始部

ここはかなりのコリ感があり、もみほぐしていきますと、かなり痛みがともないます。

可動域はかなり改善されましたが、まだ、両膝を倒してもらうと腰に痛み、突っ張り感が残ります。

この動診の様子、膝を左に倒していくと、それにつれて上半身・体幹も一緒に動いてしまうことから、どうやら、上半身のコリが邪魔をしているようです。

ふくらはぎのコリにアプローチするだけでは不十分のようですから、上半身にも視点を移していきます。

体幹のトリガーポイントを探ります

両膝を立てて、両膝を左に倒す動作の際、作動しているポジションは、左斜め前、体幹でいうと、おへその左横のポジションがそれに相当します。

逆に、この左ねじりの動作に可動域制限をかけているのは、右にねじる動作のポジションに相当する右斜め前のポジションです。

これを体幹にあてはめていくと、素直に、そのとおり、おへそから右の斜め前の腹部から胸部へのラインということになります。

経絡でいうと、「胃経」のラインそのものです。

けれども、一本の細い線を想定するのではなく、5~10センチほどの幅をもたせて想定します。

すると、筋肉的には、外腹斜筋から前鋸筋、腹部から肋骨がその対象となります。

ここを触診していきます。

この軸回転の法則では、想定するラインを幅をもたせて設定します。

すると、そのライン上だけでなく、そのラインにかかわる筋肉全体をも対象にしすることができます。

理論に幅をもたせることができます。

ですから、外腹斜筋・前鋸筋の全体をも触診の対象としていきます。

前鋸筋を触れていきますと、右斜め前のポジションというより、もう右の脇に続く周辺にコリを触れます。

ここをもみほぐします。

すると、両膝を倒しても、腰痛、腰の痛みはさらに軽減されました。

このように、腰痛といっても下肢だけの問題ではなく、上肢の問題、さらには腕・前腕までも絡んでくることがあります。

けれどもこのように、軸回転の法則をあてはめていくと、その原因となるトリガーポイントを探すうえで大いに参考になると思われます。